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Sunday 7 November 2010

greedy


スキンケアについて道しるべが見当たらず、ここ1年ほど随分と騙し騙しやってきましたが、もうそろそろ立ち行かないところまで来ています。そのジプシー具合がなにか象徴的な感じがしてつらつらと書きます。

わたしParisでの1年はだいぶ禁欲的に過ごしていたと思うんです。
フルタイムで働いていたとは言え、ほぼSMIC(最低賃金)での収入で生活を賄っていたわけだから、そうせざるを得ないんだけど、そうやって消費をそぎ落としていくと譲れないものが明確に浮き彫りになる訳です。

で、その限られた予算の中でも確保したかったのはダンスのためのスタジオ・ジム代と化粧品。
(この場合「旅行」は免除します。それは月々の稼ぎとは別のお財布=渡仏資金から捻出したからね。)
っていってもメイク自体はマスカラくらいだからメインはスキンケア。ここは年齢が大きく作用してる。
潤沢な資金もないし、なんとなく、じゃもう買えないわけです。
ほんとうに必要なものを精査して揃える。
そうすると日本で慣れ親しんでいた朝晩のお手入れが驚くほどシンプルに。およそ半分のアイテムとステップ。


あちらの乾燥してる気候にトラブルもなく、なんだこんな簡単お手入れで充分だったんじゃない!って。
で、帰国して、ストックしてた化粧品がまだまだあるからそれ使ってたんだけど、収入も生活スタイルも環境も完全に日本だし、いつの間にか物足りなくなっていることに気づく。

肌は変わってないのに、もっといろいろ使いたい、過保護にしたい!って気分はどんどん高まって、つまり「スキンケア」が食事のような呼吸のような「必要不可欠の行動」からはみ出した「贅沢行為」に化す瞬間です。
開き直ったり割り切るのではなく、「わたしにはこれで充分」と、頭でも肌でも理解して潔く自信を持っていられたはずなのに、あっというまに揺らぐ揺らぐ。


セーターが欲しい、靴が欲しい、バッグも欲しい、美白したい、保湿したい、ハワイに行きたい、爪をキレイにしたい、ライヴに行きたい、カメラが欲しい、マフラーが欲しい、金沢に行きたい、ネックレスが欲しい。

なんかこういう物欲に限らない欲望のうち、どれが自分の欲望で、どれがよそから植え付けられたものなのか、よくわからないほどに気がつけば欲まみれ。でも物欲って大切でしょ。度を超えたり身分不相応じゃない限り。
それがなかったらしぼんだ日常になっちゃうし、「欲しいものが欲しい」状態になっちゃう。
自分でお金を使わない人が、モノを買わない人が、マーケティングとかグラフィックデザインとか、誰かに何かを買わせる仕事をしてるなんて説得力もない。
でも欲だらけの自分に嫌気もさす。
Parisにいた間は、それまでのわたしとはまるで別人のような判断・価値基準で生きていて、今はその当時とはまた真逆に振り切った感じの価値観に生きてる。

欲について考えてると、時々ほんとうにばからしくなるんだけど、結局自分の欲に振り回されてる日々。

同時に自分の内側から沸き上がってくる欲、わたしの場合は身体を動かしたいっていうのだけど、そういう欲望に対してはできるだけ正直にいようと思う。我慢しない。
雑誌や何かの情報に踊らされているわけでもなく、誰かにつられてるわけでもなく、これがやりたい、やれないと息が詰まるっていうそういう自分自身の欲望。
どうせいつか跳んだりはねたりできなくなる日が来るんだし、それまでは謳歌したい。

うだうだ言ってるけど、
とりあえず今は美容液を何使おうかってずーっと悩んでるの。