Hello my friends. Hello stranger.

Friday 28 August 2009

chérir










木曜日。午前中にセーヌ沿いへ。
雨が降ったり止んだりのおかしな天気の下で、果物やパンを食べて、銀行に手続きに行って、お家に戻って荷造りと片付け。

やることがいろいろあってバタバタしてて落ち着かないけど、実際はそんなにいそがしい訳でもなく、ただただ追われてる気分であたふたしてるだけ。だと思う。 でも結局そわそわしてて、なのに帰国するっていう実感はなくて、来週の今日はもうここにいないっていうのはちっとも現実味がない。
せめて次第に片付いていくお部屋に比例して、そんなリアリティが増してくればいいのに、ただ大掃除してる人みたいな感じ。


夕方の待ち合わせの前にLa posteにColissimo持ってよいしょよいしょと行ったら、今日と明日はお休みの張り紙。
脱力。7kgのこの箱、どうしたらいいの。
他の郵便局までも意外と距離があるし、結局そこでも行列に並ばなきゃだし、待ち合わせに遅れるのもいやだし。
で、結局その荷物を抱えて、メトロに乗って待ち合わせの13区まで行ってみた。La posteを見つけたら入ろうと思って。すでに筋肉痛が始まってたけど、途中で無事に荷物引き渡せて安堵。

規定の7kgちょうどくらいに荷物を詰めたんだけど、重さ測ったりしないのね。
ただ用紙と箱を渡してにっこりして終わり。

赤ちゃんからすくすく育った娘や息子と暮らしてる友達は、つまりこの箱よりも重いこどもを日々抱っこしてるってことかと思ったら、気が遠くなった…。
しかも箱みたいにおとなしくしてくれてるわけじゃないもんね…。





で、女の子たちとアジアの料理を食べながら散々しゃべって笑って、ばかなことばっかり好き勝手に言いたい放題で、もう心の底からくつろいで楽しみきって、涙がにじんだ。
ParisでもUKでもずっとそわそわしてたから、ずいぶんひさしぶりにくつろいだ気分になったような気がして。

と同時に、彼女たちとも永遠にじゃないけど、会えなくなるんだなって思うと淋しくて、他のここに暮らすだいすきな人たちとも会えなくなるなって、いちばんくらい当たり前のことをやっと静かに感じて当たり前の淋しさを実感したのでした。

そして帰国したら、それこそくつろげる仲間たちや恋人や家族との時間が持てるんだったって思って、世界のいくつかの場所にそんな人たちがいるってことは、なんてすてきで、わたしはしあわせ者だってテラスで女の子たちを見つめながら思ったのでした。

忘れ物のないように、片付けしっかりやろうっと。


※今日何人かに「焼けたねー、
bien cuitだね」って言われて、そう、Brightonで日やけして来たんだけど、
太陽だいすきな人たちがくらすフランスにいるのにわざわざイギリスで日やけしてきたなんて。
日やけなんてほんとうにひさしぶり。

Thursday 27 August 2009

tricky



今世界でいちばん好きなたべもの。
mirabelle : ミラベル。
小さくてあまくてみずみずしくて、あっという間にたべきっちゃうので、今日はおいしそうなのをひとつずつ選んで、500gたっぷり買って来た。それでも1€弱!
フランスのいいところのひとつ、くだものが安いってこと。
メロンも1つ1€ちょっとだし、りんごも桃もアプリコットもキウイもぶどうもたっぷり買える。

ちなみにアボカドとヨーグルト、チーズはBioのものを買ってるけど、その他の野菜やくだものはあまり気にしない。
















こちらはfigue : いちぢく。
今まで細くて縦長のをいつも買ってたけど、今日は丸に近い形のを見かけました。



フランスに来て、硬水の影響もなく伸び放題の髪の毛は健康そのものだったんだけど、最近急に毛先がキシキシと傷んできてすぐに絡む。
日本のヘアサロンで買って来た栄養剤を毎日地味に使ってたけど、いよいよ限界かぁとあきらめていたら、この前L'OCCITANEでもらった美容液のサンプルがあったのを思い出してなんとなく使ってみた。

そうしたら!1回で髪が、毛先がやわらかくしっとりと生まれ変わった!
手触りもふんわり、キシキシなんて1mmもしない。この間まであんなにとげとげしてたのに、
わたしL'OCCITANEにそれこそ1mmも期待してなかったんだけど…。お見それしました。
こんなに効果てきめんなら買ってもいいかも、と価格をチェックしたら18€。わるくない。
でも日本でもどこでも買えるし、わざわざ今帰国前に買わなくてもいっか、と日本のサイトを観てみたら驚きの¥3,990
そんなに?そんなにちがうの?しかもスーパー抽象的な商品紹介のテキストは一体?

つまり、"¥4,000もするほど選りすぐりの貴重な成分がたっぷりと配合された商品"ってわけじゃなくて、"18€ってそんなに安くもないけどそれ相応の働きはしっかりとする商品" がたまたま¥4,000ってことか。


これに限らずNUXEもRoCも何でもいっしょよね。
価格先攻でイメージをもっちゃうと、ものすごく”いい”商品のような気がするけど、その価格は一体何を元に決定されたものかを考えれば。
わたしは以前に化粧品の会社で働いていたから、それこそ実際の商品の原価だとかの実情を知っているにもかかわらず、うっかりするとおどらされちゃう。
そして薬事法がどんどん厳しくなるから、広告を作るのにキャッチコピーなんかは抽象的な言い方しかできないのもよく分かる。

でも、ぼんやりしたニュアンスで具体的な詳細がよくわからないものに、何千円、何万円ってお金を使うのはかなり独特の感覚だと思う。あらためて。

人種が違えば肌質も髪質も違うから、国産のものがいちばん肌や髪にはいいはず。って意見も納得だけど、住む場所が変われば環境(気候や水)が変わるから、その土地で作られたもの・その土地で愛用されているものがいちばん。って意見にも大賛成。
どっちにしろ、帰国後は渡仏前みたいに化粧品にお金をかけることはないんじゃないかって思う。
今のわたしのお手入れって、この10年でいちばんシンプルなスキンケアだと思う。

ちなみに今愛用中のNUXEのBIO-Beautéの化粧水。
BlackberryやApricot、Plumが使われててそんな香りのはずなんだけどわたしにはどうしてもミルクティーの香りに思えて仕方ない。
でもそれが本当にほんとうにいい香りで、朝晩のスキンケアがたのしみで仕方ない!


※荷造り。毎日進めてるけど、進んでるんだけど、終わる実感がない。
そして帰国まで1週間をきったらしいけどその実感もない。ちょっとは実感がないと、テキパキうごけない!

Wednesday 26 August 2009

Hove & Brighton


Londonから列車で1時間ちょっと。
南の海辺の街、HoveへAndrewとEmmaを訪ねました。
なんといつの間にか月日が過ぎて、2年振りの再会。

Londonへは何度も来てるけど、それ以外の街へ行くのはこれが初めて。どきどきしながら列車に乗り込んで、本を開いても落ち着かず、ずっと窓から景色を眺めつつ、到着を待っていました。

途中で列車が分割してそれぞれ違った行き先へ分かれるんだけど、発車前にはどちらが前でどちらが後ろか分からず、乗り込んだ車両で5人に尋ねたら、なんとわたし以外全員が間違えた車両に乗っていて、みんな気づかせてくれてありがとうといって移動して行ったのでした…。

駅に到着したら、2人の姿が見えてやっと安心!












おなかがペコペコだったので、近況報告もそこそこに早速出かける。
ベーグルサンドを買って、海でお昼ごはん。この週末はたっぷり日やけしました。
海辺でひさしぶりの報告や、それぞれの最近のことをいろいろと話しながら日光浴。










AndrewはIMAKETHINGS名義で活躍するイラストレーター。
こちらはいちばん最近手がけた
Foundationのデッキのデザイン。
最初のデザイン、ミニミニのがあるなんて知らなかった!










これもミニデッキ。でも乗れるサイズ。となりはかなり大きなモンスター。
首にはライトが巻いてあって、夜は照明として使ってる。右は、海で拾った石に顔を描いてもらったもの。











お菓子屋さんでおやつを仕入れて、今度は山へ。
Emmaが選んだのは花の香りのと、左のはなんとビール味のグミ!









車で10分ちょっと走ったらこんな眺め。海まではお家から歩いて10分弱。
急に緑に囲まれた!馬や羊や牛が点在。

この日はわたしはもしかして今まででいちばんってくらい、たくさんお酒を飲んだのでした。
2軒のパブとレストランで、サイダーとワイン。Andrewはずーっとビール。Emmaはずーっとワイン。










翌日。ふたりがおととい森で採って来たBlackberryを焼きこんだマフィンで朝ごはん。
そしてBrightonまで海沿いを歩いてお出かけ。
今日も最高のお天気で、この週末はこの夏いちばんの晴天だったって。











一日中Brightonを歩いて、AndrewとEmmaは予告とおり14hにはビールとワインを飲み始めて、行列のジェラート屋さんでアイスを食べて、海辺で日光浴をして。
お昼にはお肉と野菜を食べて、途中途中の休憩でお酒を飲んで、ギャラリーをいくつか巡って、またお酒を飲んで、日光浴をして。
2人には典型的な日曜日の過ごし方らしいけど、わたしには完ぺきな夏休みって感じ。


Andrewがサーファーの英語を使うから初めて聞くような言い回しがいくつもあっておもしろい。
それとはまた別だけど、わたしが気に入ってるのは"Muffin Top"。
女の子のジーンズのウエストにプニっと乗っかったお肉のことを、マフィンの横の出っ張りになぞらえてそう呼ぶんだけど、海辺でそれを見つけるたびにEmmaと報告しあって、ひひひと笑うのが気に入ってた。
って人のこと言ってられないけど!

ひさしぶりに2人に会えて、2日間一秒一秒がたのしくて、3人ともよく喋ってよく笑って、よく飲んだ週末でした。たのしかったー。
HoveもBrightonもいいところ。「またLondonに住みたいとは思わない」って2人が言うのも分かる気がする。



そして今わたしたち3人とうにが今か今かと待っているのはWhere the Wild Things Areの公開。
きっとイギリスより日本の方が早いだろうな。
そして同じくMaurice SendakでEmmaがいちばん好きなIn the Night Kitchenを初めて読んだんだけど、これもすごくいい!アニメ発見。
そしてskaterでアーティストのJim Houserの作品はどれもこれも本当にかっこいいと、Andrewと再認識したのでした。
フランス語で話していると、何もかもが足りなくていいたいことの1cmくらい外側を行ったり来たりしているようなもどかしい感じで、英語だと考えたり躊躇する暇もなく、
思い通りに好きなように話せるという開放感。いつかフランス語もそう使える日が来るといいんだけど。


London 3 days


イギリスへの旅行、LondonとHove, Brightonへ行ってきました。

Londonは3日間。

まずは観たもの。


White Ccube GalleryはHoxton、Mason's yard両方で、"Gilbert & George : JACK FREAK PICTURES" を展示中で、それぞれ観に行ってみました。
目が覚めるよなう色彩の大きなおおきな画面を前に、なによりも2人がこんなにお年を召されてたのねってことを、それぞれのお顔を見ながら思っていました。





今回の目玉。Whitechapel Galleryでの" Elizabeth Peyton : Live Fprever"。 とてもよかったです。期待以上でも以下でもなく、思っていたとおりの大きさや印象で、まっすぐに真正面からこころにすーっとささりました。好きなアーティストの展示を観る時って、やっぱり実物が意外とよくなかったら…ってちょっとどきどきします。Liveに行くのと同じ。 でもCDや画集と、実際の演奏や音、作品そのものは別もので、それを創る人が確かに実在するという息吹みたいなものを本物を観ると感じられて、だから例え作品を直に観てがっかりすることがあったとしても、機会があればできるだけ本物が観たいのです。 で、今回はがっかりすることなく、静かに興奮しながらうわーうわーと楽しみました。 同時開催の "East End Academy : The Painting Edition"。 この展示で観たEmily Wolfeの作品がとてもすてきでした。

そして幸運にも!だいすきなspace invaderの展示がLazaridesで!
ストリートではなくギャラリーで作品を観るのは初めてで、しかもいつもとは違ったスタイルの作品がたくさんで、感激。
展示内容とはまったく無関係だけど、スタッフの女の子が極限まで短いショートパンツとミニスカートをはいてデスクに向かっているのも見どころです。





The Photographer's Galleryでは"Simon Foxton : When you're a boy"というFassion Photographyの展示を観ました。
撮り手はNick NightやJason Evans、Alasdair Mclellanなど。
どれもあまり好きじゃなく。 それはわたしがFassionから遠いところで生きているから? たぶんちょっと疲れていたからかも。




ICAでは "Poor.Old.Tired.Horse." という展示を。
言葉を使ったアーティストたちの作品が集められてて、Vito Acconciや
Robert Smithsonの作品がありました。 ここでもちょっと疲れていたからか、これといって気に入るような作品もなく、むしろカフェのこのタイルにやはり釘付けでした。自分のお家もこんなタイルにしたい。




The Serpentine Galleryでは "Jeff Koons : Popeye Series" が開催中。
いつもの倍以上は監視の男の子や女の子がいて、かなり厳重な警戒態勢での展示でした。作品の底抜けに突き抜けた蛍光な感じと、マテリアルの軽さ、それと監視の彼らのものものしい感じの対比が展示以上におもしろく感じました。


そして前回工事中だったギャラリー前のスペースには
パビリオンが。設計はコンペの結果選ばれたSANAA。屋外屋内の区別もなければ、どこからも出入りができる作りで、てっぺんのアルミニウムは高低差がありながら宙に浮かんでいるよう。宇宙船みたいな様子なのに、透明な部分ばかりで森に溶けかかってるようにも見えて、うさぎいすに座った人たちは冷たい飲み物を飲みながらおしゃべりに夢中になっていました。

そしてSAATCHI Gallery
ここに来たのは今回が初めて。
チェルシーに移転する前は入場料が高くて、それが気に入らなくて勝手に高慢ちきなイメージを持って敬遠していたのでした。今は無料。


そして来てみれば、驚くほどにすてきな美術館でした。
とにかく広々としたスペースに数を絞った点数の展示で、気持ちいいの一言。

観たのは "
ABSTRACT AMERICA : New painting and scalpture"。
気に入った作品がたくさんで、疲れが一気に吹き飛びました。
Guerra de la Paz、Matt Johnsonがとくに。 Sun Yuan and Peng Youというアーティストの" Old Persons Home"という作品、わたしはそのスペースにひとりきりで観たんだけど、夢に出そうなくらい衝撃的なインスタレーションでした。


というわけで、3日間で8カ所のギャラリーへ。
時間的&体力的に見逃した展示が他に4つ。もう1日延泊してもよかったのかも。

そして食べたもの。










Old StreetにあるFOOD HALL。
この近くのstudioでシューティングがあるとここにソーセージロールを買いに来るという
hair stylistのアキコにおそわったお店。
Banana RoafとWhite cofee。
お店ではパイやケーキ、お惣菜の他にもさまざまな食材が売られていて、店内で食事をする時はジャムやいろいろな調味料が使えます。わたしがいちばん気になったのはスタッフのエプロン。色とりどりのダイヤ柄で、それを売ってくださいとみんな思うはず。











SOHOにあるNordic Bakery
Cinnamon Bunsとラテ。北欧系のカフェで、器はiittalaでした。
このシナモンロールが冗談ではなく持ち上げるのに一苦労というような重量!静かで天井が高くて気持ちのいいお店で、ゆっくり本が読めました。

そしてあんまりにおいしかったので、最終日Parisに戻る前に思い立って、荷物を担ぎつつCinnamon Bunsを買いに舞い戻って、帰りのEurostarでほおばったのでした。










Brick LaneのFika
ここも北欧。スウェーデンカフェ。
前回来たときとカウンターの位置が変わっていて、お店の印象も少し違って感じました。
この旅行中、飲み物はできるだけカフェインレスを心がけて、Shoreditchに泊まってるというのに夜遊びなしで毎晩ぐっすり眠りました。










博士も訪れていたOttolenghi
Take Away専門店の支店で、お昼用に買ったのがこれ。Beetrootとさつまいも、それになすと野菜のおかずを3種類選んで10ポンドって高い!と思ったんだけど、実際食べてみたら思いのほかボリューミーで、もちろん味は申し分なくて、大満足のおひるご飯でした。


Vintageの服や靴を買って、帰国の荷造りに難儀するんじゃ…と心配してたけど、今回いろいろお店も回ったけど1着も買わずに済みました。
たくさんの展示を観たら、物欲が浸食されて、お洋服1枚買うことすらなんだかばかばかしく感じちゃったのが本音。だからVintage屋さん巡り中もまったく興奮せず、冷めた目で冷やかしつつ。
ちょっと残念だけど、これはこれでよかったのかも。